2019/10/23(水)
【脂肪体】誰も知らない膝の外側の痛みの原因《腸脛靭帯炎》Iliotibial Band Friction Syndrome《ラテラルライン》
今回は「膝の外側の痛みの原因」について解説していきたいと思います。
膝の痛みの原因を考察する時、
大きく2つに大別されます。
(1)化学的な要因
これは、炎症による痛みです。
腫れたり(お水が溜まっていることも含む)、熱を持っていたりする場合です。
この時には化学的物質が痛みのある部位に貯留されているので痛みが起こっています。
注意するべき点としては、「安静・冷却・圧迫・挙上」以外はやらない方が良いということです。
また、施術は膝関節に刺激を与えてしまうので悪化してしまう可能性が高いです。
痛くて夜も眠れない場合、炎症による影響が強い可能性があるので、近隣の整形外科への受診をおすすめします。
(2)物理的な要因
これは、いわゆる慢性痛の原因になるものです。
摩擦、圧迫、牽引などの物理的な力が一箇所に集中することで痛みは起こります。
炎症がないにも関わらず、悪性腫瘍などがないにも関わらず、
・階段を降りる時に痛い
・正座ができない
・長距離を歩くと痛い
・走ることができない
などの症状があれば、まずこちらだと思ってください。
今日は膝外側の痛みの「物理的な要因」について解説していきます。
まず、膝の外側の痛みの場合、「腸脛靭帯炎」である可能性が高いです。
腸脛靭帯炎は別名ランナーズニーと言われており、
中高生の部活やプロのスポーツ選手に多い症状と言われています。
しかし、本当にそうでしょうか?
実際は違います。
実は、変形性膝関節症に多い症状なんです。
一般的に変形性膝関節症などの膝の痛みって
内側の痛みを有する方が多いのですが、外側の痛みでお悩みの方も非常に多いんです。
では、この腸脛靭帯炎の痛みについて
掘り下げて解説していきます。
さっさと詳細を教えて!という方はこちらの動画からご覧ください。
結論から言ってしまうと、
腸脛靭帯炎の痛みの原因は「脂肪」であることが多いです。
当院のブログを見てくださっている方は
膝の痛みには「脂肪」が関与していることが多い
ということを知っているかと思います。
代表的な脂肪として、
・膝蓋下脂肪体;IFP
・前大腿脂肪体;PFP
・膝蓋上脂肪体;SFP
がありますが、今回は違う脂肪です。
大腿骨の外側には「外側上顆」という出っ張りがあり、
ここに小さな脂肪組織があります。
脂肪があるということは、ここには物理的な負担が生じやすいという証拠なのですが、
腸脛靭帯炎の方はこの脂肪に「圧迫力」や「摩擦力」が強く生じてしまう状態です。
そして、この脂肪が限界を越えると、痛みとして身体にサインを出してくれるという訳です。
これが、腸脛靭帯炎の実態です。
脂肪が痛みを拾っているということになります。
なので、施術でもこの脂肪組織の動きを円滑にしてあげるような取り組みをしますし、
柔軟性を引き出すことが必要です。
では、なぜ、脂肪組織に過負荷な圧迫力や摩擦力がかかるのでしょうか?
通常、腸脛靭帯の硬さは変化しません。
いつだって変化するのは筋肉と筋膜です。
腸脛靭帯にはラテラルラインと言って
頭板状筋ー外腹斜筋ー大殿筋ー大腿筋膜張筋ー腸脛靭帯ー腓骨筋という筋膜の繋がっているラインがあり、
(電車の路線のようなものです)
このいずれかの筋肉や筋膜が硬くなってしまうことで、中継地点の腸脛靭帯に負担が生じてしまうのです。
痛みを拾って脳に伝達される最初のポイントは「脂肪組織」ですが、
それを引き起こしている原因は、このラテラルライン上の筋肉と筋膜にあることがほとんどです。
スポーツ選手などでは、負荷がかかることが容易に想像できますが、
変形性膝関節症の方々はどうでしょうか?
前述したラテラルライン、O脚が強い方では特にパンパンに硬くなります。
O脚が強いということは、それだけ横ぶれをしているので、ラテラルラインには常に負担が生じます
横ぶれを制動してくれているのが、このラテラルラインということです。
このような方の場合、
・脂肪組織を緩める
・ラテラルラインを緩める
だけでは不十分で、
・O脚を矯正する
ことも必要です。
なぜなら、根本的な原因がそこにあるからです。
いかがだったでしょうか?
今日は膝の痛みの原因について、
腸脛靭帯炎をピックアップしてお伝えしました。
腸脛靭帯炎は年齢に関わらず、生じます。
もしかすると、あなたの外側の膝痛は腸脛靭帯炎かもしれません…
10月もそろそろ後半、
少し寒くなってきましたので、みなさまご自愛くださいね。
では、また楽しみにしておいてください^^
−鈴木慎祐
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