2026/08/16(日)
乳がんとひざ痛の関係性
カテゴリー:ホルモンバランスとひざ痛, 変形性膝関節症
どうも!東京ひざ痛専門整体院 京四郎 院長の鈴木です。
本日は横浜市の某スターバックスで膝ブログを書いています。
さて、本日ですが
「乳がんとひざ痛」の関係性についてお話ししたいと思います

私自身、乳がんはじめ、悪性腫瘍それ自体に特別詳しいわけではありませんが
祖母も肺がんを患っていましたし
何より総合病院勤務時代に患者様の既往歴をチェックすると
よく「乳がん」を目にしていました
膝痛専門の看板を背負った現在でも
初回の問診時に既往歴について
必ず伺うようにしているのですが
なぜか、ひざ痛患者さまに乳がんと診断された経験のある方が多いんです
前から不思議に思っていたので
「ひざ痛と乳がん、何かしらの関係がやはりありそうだ、、」
ということで
改めて調べてみました
すると
興味深いことがわかりました
まずは「ホルモン受容体陽性乳がん」について
これは女性ホルモンを栄養(要はエサ)にして増える乳がんのことで
全体の7-8割はこのタイプとのこと
この治療薬(ホルモン療法薬)として
アナストロゾール
レトロゾール
エキセメスタン
の3つが代表的とのことで
それらはアロマターゼ阻害薬と言われ
主に閉経後のホルモン受容体陽性乳がんで使用される薬です
とても大切な薬ですが
副作用として関節痛が起こりやすい
それは
AIMSS(Aromatase Inhibitor–Associated Musculoskeletal Syndrome)と呼ばれ、
日本語訳では、「アロマターゼ阻害薬筋骨格症候群」とでも言うのでしょうか
うーん、これは何か関連がありそうだ
つまりこれは、
乳がん細胞の増殖を抑える代わりに
筋肉の痛み、関節の痛みやこわばりを出すと言うもの
衝撃的だったのは次です
生じる関節症状の中で
最も痛みを感じる部位が
膝関節だったというのです
この薬によって
女性ホルモンであるエストロゲンが抑制され、
身体の炎症調整機能(サイトカイン上昇)、免疫機能が変化、
それが関節痛やこわばりにつながるというもの
骨粗鬆症になりやすいことも指摘されているので
脊柱圧迫骨折を起こしやすい女性からすると
非常に大きな変化を与える治療といえます
ここからは推測ですが
乳がんは一般的に40代以降からまず起こりやすい
と言われており
この時期にすでに膝にトラブルを抱えている可能性もあると思います
というのも
私はおそらく日本一膝痛患者さまを見ている理学療法士なので
わかるのですが
出産後に膝の痛みが起きてご来院される女性も少なくありません
何が言いたいかというと
出産による大きなホルモンバランスの乱れがひざ痛に関与した
と言えなくもないかもしれません
でも全員ではない。
そのような女性を見ていると
例え20代でも30代でも
膝のねじれが強い方はいますし
膝のお皿が外側にずれている方もいる
膝が伸びきっていない方もいます
今回はホルモン療法による影響として
取り上げましたが
ホルモンバランスの乱れが原因として起こるひざ痛も多い
という解釈もできるかもしれません
前述した炎症物質「サイトカイン」ですが
膝の内部にある「膝蓋下脂肪体」は
このサイトカインを産生・分泌します
膝蓋下脂肪体は膝が伸びると前に移動し
膝が曲がると膝の内部に入っていき
膝のクッション役として有名な組織ですが
膝のトラブルで炎症を起こしやすく
痛みを起こしやすい
興味深いことに
私はこれまでの臨床経験で
たった「2名」ですが
この膝蓋下脂肪体に「ちょんちょん」と指で触れるだけで
激痛を訴える方に出会ったことがあります
施術をすると悪化するケースです
(この時代にはまだエコーを持っていなかったので膝内部を調べることはできませんでした)
これもホルモンバランスの乱れがあり
サイトカインが通常よりも分泌されやすい身体環境だった
それが膝蓋下脂肪体で顕著だった
と考えれば理解できます
乳がんとひざ痛の関係を調べていくと
色々とわかってきたので
さらに掘り下げてみます
乳がんに関係する
ということだけでなく
そもそも女性はエストロゲンの乱れでひざ痛が起こりやすいんじゃないか?
を調べてみました
すると
どうやら閉経前後でエストロゲンの変化が著明に起こると
関節にトラブルが起こるらしいです
なぜかというと
エストロゲン受容体(エストロゲンが向かうセンサー)は
関節軟骨・滑膜・軟骨下骨・靭帯・筋肉などに存在するとのこと
つまり
エストロゲンが低下すると
関節にある軟骨、滑膜、軟部組織たちが
新しく生まれ変わらないということ
人間の体って
常に新しい状態、環境に適応するように
生まれ変わってるんです
例えば、悪い例で言うと
変形性膝関節症の方は病院で医者に言われたことが
あるかもしれませんが
レントゲン結果を見て
「膝にトゲがありますね〜」
あのトゲも生まれ変わった結果です
骨というのは
荷重がかかるところには
骨をつくる骨芽細胞という細胞が活性化され、
逆に使われない部位
例えば歯を抜歯したところって
噛まなくなるから骨がどんどん痩せていきますが
あれは破骨細胞が骨を削除していった結果です
よく骨粗相症を防ぐために
「骨に負担をかけましょう」
ということで
立ったまま
踵上げをして
ドンっと踵を床に落とす
みたいなことも一時期紹介されていましたが
エストロゲンが低下した状態では
無意味どころか
骨に負担をかけてしまう動作と言えるかもしれません
どうやら「感作」もエストロゲンの減少で起きてしまうようです
感作とは
簡単に言うと、痛みを感じやすくなる状態のことです
レントゲンやMRIでは特に変化ないけど、、
「でもすごく痛い!」という場合はホルモンが関わってるかもしれません
変形性膝関節症 グレード4
だけど痛くない方もいれば
変形性膝関節症 グレード1
だけどめちゃくちゃ痛い方もいる
という重症度に関係のない痛みの強さも
ホルモンバランスが関係するかもしれません
排卵期に前十字靭帯損傷をしやすい
ということは知っていましたが
今回、「乳がん」それから「エストロゲン」について
深掘りすることで色々なことがわかりました
私はひざ痛のプロではあり、
医療機関勤務時代は
悪性腫瘍術後の患者さまのリハビリなど
してきたことはありますが
乳がんのことについてここまで詳しくは知りませんでした
私だけではありませんが
「ホルモンの影響によるひざ痛」
のことを医療者全員が知っていれば
「画像で問題ないからひざ痛は起こるはずはない」
と医者に言われた患者さまにも向き合うことができるはずです
また患者さま自身も自身に起きている膝の痛みを理解でき、少しは安心できるかと思います
医療者は必ず既往歴を聴取し
ホルモンによる影響も考えながら
ひざ痛の原因分析に励む必要がありますね
今回の膝ブログのお話が誰かのお役に立てれば幸いです。
本記事は、乳がんとひざ痛の直接的な因果関係を断定するものではありません。
乳がん治療で使用されるアロマターゼ阻害薬、エストロゲンの変化、関節痛や炎症などについて、これまでに報告されている研究・論文をもとに、膝を専門とする理学療法士の視点から考察したものです。
また、本記事は乳がんに対する治療やホルモン療法を否定・中止することを推奨するものでもありません。乳がんの治療を最優先とし、治療中の方は主治医の指示に従ってください。
【参考文献】
(1)Crew KD, et al.
Patterns and Risk Factors Associated with Aromatase Inhibitor–Related Arthralgia Among Breast Cancer Survivors.2009;115(16):3631–3639.
(2)Cheng KKF, et al.
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Aromatase and CDK4/6 Inhibitor-Induced Musculoskeletal Symptoms: A Systematic Review.
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Systemic therapies for preventing or treating aromatase inhibitor-induced musculoskeletal symptoms in early breast cancer.
Cochrane Database of Systematic Reviews. 2022.
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Jatan A, et al.
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(6)Henry NL, et al.
Inflammation and aromatase inhibitor-associated musculoskeletal symptoms.
Breast Cancer Research and Treatment. 2010.
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Arthritis & Rheumatism. 2009;60(11):3374–3377.
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Osteoarthritis and Cartilage. 2010;18(7):876–882.
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Frontiers in Neuroendocrinology. 2013;34(4):329–349.
ー鈴木慎祐

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鈴木慎祐(SHINSUKE SUZUKI)
静岡県三島市出身で息子三人、妹が二人、妻は一人。幼稚園時代からサッカーしかしてこなかった男。ポジションはMF。母子家庭で育ち、コーヒー店を営んでいた祖母と多くの時間を過ごす。好きな飲み物はウインナーコーヒーと緑茶。犬が好き。理学療法士として医療機関勤務後、2018年~東京自由が丘で当時世界に1つ存在しなかった「ひざ痛」専門整体院を周囲の反対を押し切り、開業。2023年~大好きな祖母がこの世を去り、人生を振り返る。「海外で理学療法士」の憧れを叶える為、2025年~カナダ修行、2026年帰国。6月には東京渋谷にて東京ひざ痛専門整体院 京四郎 営業再開。実はお笑い M-1グランプリ出場経験がある(予選敗退)。
資格▶︎
厚生労働大臣認定 理学療法士(国家資格)
膝痛研究家®︎
所属▶︎
・公益社団法人 日本理学療法士協会
・一般社団法人 日本ペインリハビリテーション学会
・一般社団法人 日本運動器疼痛学会
・整形外科リハビリテーション学会
美学
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触診、エコー、姿勢分析、動作・歩行観察から根本原因を徹底的に探す。
そして、絶対にあきらめない。
仮説検証を繰り返し、ひざ痛の軽減を目指し、良くなるまで続ける!!
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